ぶらり訪れて楽しい江別の価値とは
「江別市」と聞いて北海道内の多くの人は「札幌市のベッドタウンでしょ?」と思うでしょう。
その江別市が2016年度(平成28年度)には観光入込客数が100万人を記録し、2018年度上半期でも前年比145.4%と好調を維持しています。
今、江別で何が起きているのでしょうか。
「通り過ぎるまち」と言われた日
文京台エリア(手前)の向こうには札幌の市街地が見える
江別市は札幌市に隣接していて、住宅地も連続していることから、札幌から郊外に出かける人にとってみれば、「いつの間にか通り過ぎてしまっている」という現象が起きます。
そのせいで、以前は「通り過ぎる街」なんて、あまりうれしくない表現をされ、「印象に残らない」とも言われました。
江別市は、明治のころより交通の要衝として栄え、れんが産業は今でも全国屈指ですし、独自の文化を育んできた・・・と江別市民は自負しています。
かつては、石狩川を観光船が運行していたり、「ヤツメウナギ」を名産品として「ヤツメうなぎ祭り」が開催された時期もありました。
日常が素敵なマチへ
私たちは気づきました。札幌からあまりにも近すぎるため「観光」というイメージを持ってもらえなかったのなら、日常生活の延長の中で気軽に行き来してもらえばいい。
事実、江別市内の住宅街に点在している個性的なパン屋さんやカフェには、“自分だけの隠れ家”を求めて札幌市や周辺の市町村からお客さんが来ていたのです。
EBRI(エブリ)のオープン
2015年、陶管工場として使われていたれんが造りの建物をリノベーションして商業施設「EBRI(エブリ)」がオープン、札幌のすぐ隣にオシャレなスポットがあると話題になりました。
ここを訪れた人たちは、ほかにも江別市内にいろいろなスポットがあることに気づいたでしょう。
この頃から、画像共有SNSのインスタグラムでも、江別のいろいろなシーンが発信されるようになりました。
どの直売所も、市街地のどからでもストレスなく通える距離にあることがわかりますね。
新鮮な野菜をたくさん食べて、健康的な生活を楽しみたいものです。
「食」の魅力が豊かなまち
江別を訪れた人たちは、とても身近な場所にいくつもある野菜直売所や、まちむら農場、トンデンファームなど「食」の魅力が豊かであることに気づいたのだと思います。
札幌から続く江別市の住宅街は、残る3方面が農業地帯に囲まれています。
そこには野菜直売所がいくつもあり、どこに居ても住宅街から車で10分くらいの距離に野菜直売所があるのです。
「ゆめちからテラス」、「江別蔦屋書店」のオープン
ここ数年の間に、大麻地区にはジョイフルエーケー大麻店がオープン、国道12号沿いには北海道では札幌市以外で初出店となるコメダ珈琲が、石狩市厚田で夕日が見えるとして有名なカフェが江別市文京台に2号店をオープンさせるなど出店ラッシュが続きました。
敷島製パンとJA道央の共同プロジェクトとして「ゆめちからテラス」が2018年5月にオープン。野菜直売所を併設したパン工房には連日ファンの行列ができます。
「田園都市スローライフ」をコンセプトとした江別蔦屋書店(2018年11月オープン)は、まさに江別市の豊かなライフスタイルを表現した複合商業施設であり、訪れた人を引き込む魅力を備えています。
住んで嬉しい、訪れて楽しい江別市
ここ数年で江別市のポジションはガラリと変わりました。
静かなベッドタウンだったまちは、その静けさをそのままに、生活して嬉しい、訪れて楽しく、身近に豊かな「食」があふれた、文化的香りの高いまちへと変貌しつつあります。
そんな移り変わりを目の当たりにしながら、私たちは、江別市に来ていただいた皆さんがどんな気持ちを抱いただろうか、楽しんでいただけただろうか、うれしい気持ちになっただろうか、と思いをはせています。
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2019.06.17(編集部T・K)